『MUSCLE CIRCUS ~おもちゃの大冒険』出演者特集
SASUKEでお馴染みの武藤智広の挑戦。
その人生を変えたのは、7分200円のトランポリンだった

武藤 智広
Tomohiro Mutou
「SASUKEで見たことがある。」そう思う人も多いかもしれません。
サムライ・ロック・オーケストラ(SRO)のパフォーマー・武藤智広(むとう ともひろ)さんは、TBS『SASUKE』で3rdステージ進出を果たした実力者です。
池谷直樹イズムを受け継ぐ挑戦者として知られ、多くの視聴者にその名を印象づけてきました。
しかし、武藤さんの人生を語るうえで 欠かせないのはSASUKEではありません。
もっと前のことです。世界大会でもありません。サムライ・ロック・オーケストラでもありません。


7分200円
トランポリン
その原点は、東京都内のイトーヨーカドーの屋上にあった小さなトランポリンコーナーでした。
料金は7分200円。
小学6年生だった武藤さんは、そこで初めてトランポリンを跳びます。
そして人生で初めて宙返りに成功しました。
「俺、天才かも。」
少年らしい率直な感想だったそうです。
もちろん、その時はまだ知る由もありません。
その何気ない7分間が、世界へつながる人生の入り口になることを。
そして将来、自らトランポリン施設を運営し、多くの人に空を飛ぶ楽しさを伝える立場になることを。
空を飛ぶ感覚に魅了された少年



武藤さんはすぐに母親にトランポリン教室を探してもらい、本格的に競技を始めました。
中学から本格的に競技へ打ち込み、その才能は急速に開花していきます。
トランポリンは単純に高く跳べば良い競技ではありません。
空中で身体の向きを把握し、
回転し、
ひねり、
着地する。
ほんの一瞬の判断ミスが大きな失敗につながる繊細な競技です。
しかし武藤さんは、その難しさ以上に楽しさを感じていました。
高く跳び上がった瞬間に見える景色。
身体が自由になったような感覚。
空中で技が決まった時の達成感。
気づけば生活の中心にトランポリンがありました。
世界大会で見えた「コマ送りの世界」
トランポリン競技では、10種類の技を連続して行います。
空中では一瞬の判断がすべてです。
しかし、その世界大会で武藤さんは不思議な感覚を味わいました。
「10個の技が全部コマ送りで見えたんです。」
極限まで集中した時に訪れる特別な感覚。
時間の流れがゆっくりになったような感覚。
トップアスリートだけが体験するゾーンの世界です。
観客席から見れば数十秒の演技。
しかし武藤さんの中では、そのすべてが鮮明に見えていました。
7分200円のトランポリンコーナーから始まった少年は、世界を舞台に戦う選手へと成長していたのです。



競技者から、伝える人へ
大学卒業後、武藤さんは競技の第一線から離れます。
しかし、トランポリンから離れることはありませんでした。
今度はキャストとして指導者として、選手たちを育てる立場になります。
そして現在はトランポリン施設の運営にも携わり、多くの子どもたちや初心者へトランポリンの魅力を伝えています。
かつて自分が夢中になったように、
誰かが初めて空を飛ぶ瞬間をつくる。
誰かが初めて宙返りに成功する喜びを味わう。
武藤さんは今、そのきっかけを生み出す側になりました。
競技者としての人生だけではなく、
トランポリン文化を広げる人生へ。
それもまた新しい挑戦でした。
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池谷直樹SROの舞台へ
そんな武藤さんの人生に、もう一つの大きな転機が訪れます。
サムライ・ロック・オーケストラとの出会いです。
トランポリン関係者から、「池谷直樹のところがあるよ」と紹介されたのがきっかけでした。
テレビで見ていた憧れの存在。「面白そうだな。」
その直 感に従い、2018年にSROへ加入します。
しかし、ここで思わぬ壁にぶつかりました。


トランポリンだけでは
生き残れない
武藤さんはトランポリンパフォーマーとして加入しました。
ところが現実は厳しいものでした。舞台では活躍できる。
しかしイベント会場によってはトランポリンが設置できない。
つまり、自分の武器が使えないのです。
出演できる場面も限られていました。そんな時に言われた言葉があります。
「トランポリン以外のことも身につけないと活躍の場は増えない。」
その言葉に大きな衝撃を受けました。
一度は、「自分はダメかな。」と思ったそうです。
しかし、その年に多くの先輩たちが卒業していきました。
そして武藤さんは決意します。
「自分が頑張らないとサムライがヤバい。」
そこから新たな挑戦が始まりました。
トランポリンが
生んだ身体感覚
アクロバット。演技。キャラクター表現。
ペアバランシング。
武藤さんはできることを一つずつ増やしていきました。
しかし、そのすべての土台にはトランポリンがあります。



『MUSCLE CIRCUS ~おもちゃの大冒険~』で注目してほしい演目の一つが、渡邊麻衣さんとのペアバランシングです。
二人はともに日本体育大学出身。そして池谷直樹さんの後輩でもあります。
舞台が静まり返る。スポットライトが二人を照らす。
武藤さんが力強く土台となり、渡邊さんがその上で美しく身体を伸ばしていく。
客席から見ると優雅な演技です。
しかし、その裏ではわずかな重心移動を感じ取りながら身体をコントロールしています。
これは長年トランポリンで培った空間認識能力があるからこそできる技です。
空中で身体を操る。相手の動きを感じる。瞬時に修正する。
武藤さんが長年磨いてきた感覚が、この演目の美しさを支えているのです。

地上5メートルへの
新たな挑戦
そして今回、武藤さんは新たな挑戦にも取り組んでいます。
大先輩から継承する椅子倒立の演目です。
何段にも積み上げられた椅子。その頂上、高さ約5メートル。
命綱はありません。客席からは思わず息をのむ緊張感が伝わります。
しかし武藤さんは挑戦を選びました。
なぜなら、これまでもずっとそうだったからです。
常に新しい挑戦を選び続けてきました。
だから今回もまた、一歩前へ進みます。
夢は意外な
場所から始まる
武藤智広さんの人生は、トランポリンと共にあります。
最初から特別な環境があったわけではありません。
最初から世界を目指していたわけでもありません。
ただ、目の前の「面白そう」を追いかけ続けた結果、今があります。
『MUSCLE CIRCUS ~おもちゃの大冒険~』では、ぜひ武藤さんに注目してください。
地上5メートルの椅子の上で挑戦する姿。
仲間を支えるペアバランシング。
そして舞台の随所で見せるダイナミックなトランポリンパフォーマンス。
その姿はきっと教えてくれるはずです。
夢は特別な場所から始まるとは限らない。
人生を変えるきっかけは、7分200円のトランポリンかもしれない。
そして、その最初の一歩を踏み出した人だけが、想像もしなかった景色に出会えるのだということを。

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